cupa on the way
ウサギの尻尾、羊が統治する国の嵐の町から徒然便り
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がん治療と鋼錬
がん治療のひとつに、幹細胞移植(Stem cell transplant)、というのがある。

幹細胞といのは、未分化の細胞のこと。
どの部分の細胞にも、どんな機能の細胞にもなれる可能性を持っている細胞のこと。

がんは、もともと普通の細胞が、暴走して増え続ける病気。
体の至る所にできて、私達はそれを除去する以外、今のところ完全治療の手立ては無い。
除去の際、がん細胞だけを取り除くわけには行かない。
その周りの部分、胃がんなら胃を、脳がんなら脳を、一緒に取り出す必要がある。
私達の体は、ほとんどの場合、切除された部分を戻す手立てを知らない。
つまり、患者さんは、取り除かれた部分無しで、その後の生活を送ることになる。

白血病、という病気がある。
血のがん、白血球ががんに侵される病気。
この侵されたままの白血球と一緒に、生きていくことはできない。
増え続けるだけの白血球を、私達は殺さなくてはならない。
が、白血球無しで私達は生きてはいけない。
どこかからか、手に入れなくてはいけない。
そう、そこで幹細胞移植。
体内に入れてしまえば、白血球として変化する。
足りないものを、補える。

では、その幹細胞をどこから持ってくるのか。

命が生まれるとき、全ては一つの細胞から始まる。
卵巣から出てきた卵子は、体内で最大の、単細胞。
それが精子と出会って分裂を始める。
単細胞から多細胞へ。さらに胚へと成長する。
ここまでは、まだ一つ一つの細胞に役割は無い。
それが分裂を繰り返し、ある部分は脳へ、ある部分は足に、人を形作るために、それぞれならなくてはならないものへと変化を遂げる。
その変化の始まる前の段階、もしくは役割が割り振られる前の胚、それは幹細胞の固まりだ。

今現在、これらの細胞を使って治療することは禁じられている。
治療に使われる幹細胞は、血中や骨髄にもともとある幹細胞を使って行われる。

しかし実験は、不妊治療から出た捨てられるであろう受精卵や、堕胎や流産によって手に入れられた胚によって進められている。
そして今の医療技術は、この幹細胞の固まりを活用することに、十分な技術を提供してくれる。

遠くない将来、私達がこれらの細胞を治療に使うことを良しとする社会が来るんだろうか。

医療倫理にRight or Wrong 正解・不正解は無い。と言われる。
相手が人である場合、その個人の意思がどこまで尊重されるか、また周りの安全性や実効性がどこまであるか、が問題にされる。
胚にはまだ、意思が無い。
人として認められる、前の段階。

だが、この倫理観に関しては、私はNoと答えたい。
人になる可能性を秘めたもの。
なるかもしれない。ならないかもしれない。
絶対になる、もしくはならない、とは言い切れない存在。
私達に、その可能性をつぶす権利があるんだろうか。

そしてまた、看護士としてあるまじき(?)思想(笑)。
そこまでして、生きたいのかな。
生命の可能性を絶ってまで、私達は前に進むんだろうか。
私は身内にいないから、こんな軽率なことが言えるのかな。
近くに居たら、その技術の発展を望むんだろうか。

それらの治療が「普通」になったとき、私達の「生命」に関する倫理観はどうなっていくんだろう。
死の恐怖と引き換えに、私達は一つ、もしくはそれ以上の命の可能性を犠牲にする。
命の可能性というその重みを、感じられなくなるかもしれないんじゃない?
そうなるのは、もっともっと先の話かも知れない。
でもきっと、その時は来るだろう。
もしくは私自身が、その決断を迫られるかもしれない。
そのとき、私はどこまでこの倫理観を守れるだろうか。

++++++++
今週一週間は、Oncology Week、がんについての一週間でした。
病理から治療・看護まで、そしていろんなスペシャリストの方の話を聞きました。
そんな中で、医療技術はどんどん発達してるんだなー、ということと一緒に頭に浮かび上がってきたのは、なぜか日本の漫画です。笑
元に戻すには、「賢者の石」が必要。それには人の、もしかしたら数人の犠牲が必要。
そんな兄弟の、選ぶ道はどんなんでしょう。
あー先が気になる。笑
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この記事に対するコメント

いつだったか忘れたけど、イギリスで白血病に罹った自分の
子どもを助ける為に、もう一人兄弟を、受精卵から選別して
生んだっていう女性の話をしてたよ。
(確か、デザイナーズベイビーっていってたと思うけど…)
一応、イギリスでは受精卵の選別は禁止なのかな??
アメリカでの人工授精、及び出産だったみたいだけど…
こればっかりは本当に難しい話だけど、命を軽視せずに
悩み続ける感覚だけは忘れずにいたいなぁ、とその話を
観ながら考えさせられました…
最近、日本では学校の先生にいじめられて自殺する子どもが
出ました。本当に命の重みが分からなくなりそうな話。。。

あ、最後に!!来年(遅ればせながら…苦笑)
学校に復学することにしたよ☆
北ちゃんの一言が後押しになったところがあったりで…
一言お礼ですm(_ _)m
【2006/10/22 16:48】 URL | yasuka #- [ 編集]


その後から生まれた子の、存在理由って親にしたら何だー?!
もちろん、その子が自分で決めればいいもんだけど、なんだか怖い話だね。。。
うんうん、そうだよね、そういう感覚(私が言葉にできなかったものを、的確に表してくれてありがとう!)は、例え答えがでなくても、持っていていいものだと思うんです。

日本のいじめ問題は、ネットで読んでるけど、ほんと暗くなる話題だよね。。。
教育の持ってる影響って大きいと思う。けどその現場はとっても閉鎖的だと思う。
もちろん、どこの業界もそういうもんだと思うけど。
もうちょい日本の教育現場には、メスが必要なんですかね~。

ところで、私何か言ったっけ?
なんにせよ、来年からまた新たな生活♪楽しんでーo(^-^)o
【2006/10/23 07:22】 URL | Tomo #- [ 編集]


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